社会福祉法人視覚障害者支援総合センター「チャレンジ」は、点字教科書の製作などを通じて、視覚に障害のある人の仕事づくりや表現活動を支援している施設です。
このたび、視覚に障害のあるメンバーと職員が協働し、新しい郷土玩具「わらいなきの干支人形」を製作しました。
人形の造形は、杉並に伝わる藁の馬を思わせる素朴な姿をもとに、西荻窪と京都を拠点とするプロダクトデザイン事務所torinoko、奈良のGood Job!センター香芝とともに開発しました。
2024年3月から5回にわたるワークショップを重ね、素材選びや形の試作を行いながら、手の感覚と音を頼りに製作を進めました。
シリーズ第一作となる「午(うま)」は、木と藁を組み合わせて作られ、首を回すと小さな音が鳴る仕掛けを施しています。鞍には点字で「わらわら...」と刻み、笑いの絶えない未来への願いを込めています。
「わらいなきの干支人形」は、見えない世界で生まれた感性を形にする、新しい郷土玩具の試みです。
本展では、完成した人形とあわせて、構想段階から生まれた多様な試作品を展示し、その製作の過程を紹介します。
触って、聴いて、感じることを大切にした「チャレンジ」の新しい取り組みを、ぜひこの機会にご覧ください。