No.268 9月号編集後記

 8月16日開かれたチャレンジ賞とサフラン賞の選考委員会で各賞に杉田正幸さん、奥野真里さんが決まりました(関連記事参照)。
 杉田さんも今春平塚盲教諭に赴任した斎藤さん(本誌8月号掲載)も「チャレンジ」から点字受験した若者です。1998年、盲大卒者や盲学校卒者で社会参加の意欲がある人に、センターが学習支援で取り組んでいる学術専門書や試験問題集の点字校正・レイアウト等を通じて知識と視野を深めてもらいたいと「チャレンジ」を設置。1999年杉並区、2000年都と国の指定を受け上々の船出でした。
 初年度は3人で、都公務員・電話交換・大手スーパーにそれぞれ就職。その後も公務員や企業等にチャレンジしていきました。ところが時代の趨勢と間違った制度(私はそう思っています)で盲学校同様「チャレンジ」も真の専門性を追い求めることが難しくなり、今は色々な障害を併せ持つ人たちが働く喜びを共有する場へと軌道修正しつつあります。
 先頃四国で障害者運動に取り組んでいる人から「県は点字受験を数年前に認め挑戦中の若者がいる。県庁のある市にも県同様点字受験を認めさせたが人がいない。気力のある人はいませんかね?」という電話がありました。いわゆる「弾」探しは私が1961年文月会を組織し「門戸開放と職域拡大は車の両輪」として取り組んでいた頃からの課題でしたが、文月会を介してそれなりに解決してきたと思います。エリート集団と言われながらも40年の歴史を刻むことができました。もしかして個人情報保護の意識が蔓延しておれば、あれほどの成果は収められなかったと思います。「高齢者追跡問題と同一視するな」と言われかねない極論ですが、核家族化の中で視覚障害者(児)が同じ運命を辿らないよう関係者に訴えます。(編集長 高橋 実)

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